まほうのかがみ

近眼で普通の容姿の魔法使いが居て、でもその魔法使いは自分が世界一美しくないと気がすまない、とする。魔法使いが「世界で一番美しいのは誰?」と問いかけて、まほうのかがみが「白雪姫」と答えた場合に、とりうる選択肢が幾つかある。「あきらめる」という選択肢は、魔法使いの性格設定からありえない。近眼なので自力で気づくこともできない。がーん。

  1. 白雪姫より美しくなろうと努力する。
  2. 白雪姫を殺す。
  3. その鏡のまほうが弱くなったと判断して別の鏡を探す。

1と2は実世界と関わっているので、自己認識と実際との齟齬が軋轢を生んで、その齟齬の解消に近づく。でも3の場合は、その齟齬は永遠に解消されない。

「それはあなたです」と鏡に言わせようと試みているうちは実害はないけれども、意に沿う鏡が見つからず、近所の人に「わたしを美しいと言え」と絡んできたら、すごく迷惑だ。「いいえ、あなたは普通です」と正直に答えると「素直になりなさい」と詰問してきたり。

ひやぁ、悪夢だ。