統計のための行列代数

統計のための行列代数 上 (1)

統計のための行列代数 下 (2)

監訳者あとがきの冒頭で膝を打つ．

行列代数（線形代数）の大口ユーザーが統計の実務家，研究者達であることに異論はないであろう．特に，多変量解析関係の話は行列の知識なしには理解が困難である．そのようなわけで国内外の統計の教科書・参考書には，行列や線形代数の解説部分が必ずと言っていいくらい含まれている．しかし，そのような　”おまけ”　の線形代数では物足りないと感じて本格的に勉強しようとすると，今度は世の中にある　”行列””線形代数”の教科書・参考書は必ずしも　”統計ユーザー”向きに書かれているわけではないから，どうもぴったり来ない．

まったくそのとおりで，そのような印象を持ってた人はとても多いのではないか．そういう人向けの良書．不覚にも，この本の原書を知らなかった．日本語で読めれば，それに越したことはなし．